こんにちは設計くんです!
今回はSMCの「エアシリンダ」について解説していこうと思います!
エアシリンダは幅広い設備で使用されるエアアクチュエータですが、
「エアシリンダって何?」
「どうやって選定するの?」
「中はどうなっているの?」
「オートスイッチ?スピコン、何それ?🤨」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エアシリンダについて複数の記事に分けて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます!
- 🤖第一弾:エアシリンダとは?
- 🔧第二弾:エアシリンダの内部構造を分解して解説
- 📚第三弾:エアシリンダ選定方法 ← 今回😎
- 💪第四弾:エアシリンダの推力計算
- 🐾第五弾:エアシリンダの速度計算
- 番外編1:エアシリンダのクッション機構とは?
- 番外編2:なぜフローティングジョイントが必要なのか(📷実物写真あり)
- 番外編3:オートスイッチとは?(📷実物写真あり)
- 番外編4:「SMC」代表シリーズの紹介・使い分け
今回は、エアシリンダの選定方法について解説していきたいと思います!
エアシリンダの選定は、考えることが多く「どのシリンダを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、必要な条件の確認から、シリンダ径などの選定まで、1から順番に解説していきます!
「エアシリンダの選び方が分からない……」という方にも、できるだけ分かりやすく解説していきますので、ご安心ください😊
① 今回選定する条件を決める
今回は、以下の条件でエアシリンダを選定してみます!
ワーク重量:10kg
動作:ワークを垂直方向(上側)へ持ち上げる
必要ストローク:130mm
使用圧力:0.5MPa
動作速度:200mm/s
② エアシリンダ選定の大まかな流れ
STEP1 使用条件を確認
↓
STEP2 必要な推力を確認、シリンダ径の決定
↓
STEP3 ストロークを決める
↓
STEP4 エアシリンダの種類を決める
↓
STEP5 オートスイッチなどの仕様を決める
↓
STEP6 カタログで型式を決定!
STEP1 使用条件を確認
エアシリンダを選定するとき、まず確認するのが「何を動かすのか?」です。
ワークをただ押し出すのか、それとも重量物を押したり引いたりするのかなど、実際の使用条件を確認していきます。

例えば、ワークを単純に押し出すだけであれば、エアシリンダと取付プレートなど、比較的シンプルな構成で使用できる場合があります。
一方、重量物を動かす場合や、シリンダのロッドに横方向の荷重・モーメントが発生する場合は注意が必要です。
シリンダだけで荷重を受けようとすると、ロッドやシール、軸受部などに大きな負担がかかる可能性があります。
そのため、リニアガイドやガイド付きシリンダなどを使用して、シリンダにかかる横荷重を別の部品で受けることを検討します。
このように、エアシリンダを選定するときは、まず「何を動かすのか」「どのような力がシリンダにかかるのか」を確認することが重要です。
STEP2 必要な推力を確認
エアシリンダの推力計算は難しいように思えますが、そこまで難しくないです!
今回の条件が
ワーク重量:10kg
使用圧力:0.5MPa
はじめに、N(ニュートン)に変換すると、
10kg×9.8(重力加速度)=98N
さらに、安全率を1.5として、
98N×1.5(安全率)=147N
※今回は選定方法を分かりやすく説明するため、安全率1.5で簡易的に計算しています。実際の選定では、負荷条件や速度、加速度なども考慮する必要があります。
計算結果を元に、147N以上のシリンダを選択しましょう。
「今回はロッドを伸ばす方向(OUT側)でワークを持ち上げるため、OUT側の推力を基準に選定します。」
シリンダの推力はエアシリンダメーカー(SMCなど)のカタログに載っています。

今回は、OUT側で157Nの推力を発生できるφ20のシリンダを候補として考えます。
💡豆知識
シリンダの推力計算方法(OUT側)
(チューブ内径の半径×チューブ内径の半径×π)×使用圧力(MPa)=シリンダの推力
IN側の計算はロッド径をチューブ内径から引く必要があります。
STEP3 ストロークを決める
ストロークとは、シリンダの動作距離のことです。
「必要な移動量=そのままシリンダストローク」とは限りません。
例えば、ワークを150mm移動させたい場合でも、175mmや200mmなど、余裕を持ったストロークを設定する場合があります。
今回の条件は、
必要ストローク:130mm
のため、今回は余裕を持たせてストローク150mmで設定します。
💡余裕ストロークを持たせる理由については、こちらの記事で詳しく解説しています!
STEP4 エアシリンダの種類を決める
エアシリンダには、使用する場所や動作に合わせてさまざまな種類があります。
例えば、
- 標準形シリンダ
- ガイド付きシリンダ
- コンパクトシリンダ
- ロッドレスシリンダ
- ロータリーアクチュエータ
などがあります。
今回は、ワークを垂直方向に持ち上げるという条件なので、ガイド付きシリンダを候補にします。

実際の選定の際には、偏荷重の有無やシリンダの取付スペースなどを考慮する必要があります。

どの種類のシリンダを選べばいいのかは、設計経験が少ないうちは難しく感じると思います。
最初のうちは、似たような動作をしている既存のユニットを参考にして、使用されているシリンダの種類を確認してみるのもおすすめです。
「理論的に最適なシリンダを選べ!」って言われても難しいので、既存設備を参考にする → なぜこのシリンダなのか調べる → 少しずつ選定できるようになるという流れです!
STEP5 オートスイッチの仕様を決める

オートスイッチとは、シリンダのロッドが所定の位置まで移動したことを検出するためのセンサです。
💡オートスイッチについては、こちらの記事で詳しく解説しています!
今回は「D-M9B」を選定することにします。
オートスイッチは、シリンダの種類だけでなく、制御機器との接続方法や電気的な仕様も確認する必要があります。
そのため、選定する際は電気設計・制御担当者と確認しながら選ぶことをおすすめします。
STEP6 カタログで型式を決定!
ここまでのSTEPで、シリンダを選定するために必要な条件が決まってきました。
今回の条件を整理すると、
- ワーク重量:10 kg
- 使用圧力:0.5 MPa
- 必要推力:147 N以上
- 必要ストローク130mmに対して、20mmの余裕を持たせて150mmで設定します。
- シリンダ種類:ガイド付きシリンダ
- オートスイッチ:D-M9B
- 動作速度:200 mm/s
これらの条件をもとに、メーカーのカタログから該当するシリンダを探します。
今回の条件では、φ20・ストローク150 mm・D-M9B対応のシリンダを候補として選定します。
あとは、実際の設備に取り付けられるか、
- 取付スペース
- 配管位置
- オートスイッチの取付位置
- ガイド部の許容荷重・許容モーメント
- 必要な速度
- 使用環境
などを確認して、最終的な型式を決定します。
まとめ
今回は、エアシリンダの選定方法について、実際の条件をもとに紹介しました。
エアシリンダを選定するときは、
① 使用条件を確認
↓
② 必要推力からシリンダ径を決定
↓
③ 必要なストロークを決定
↓
④ 使用条件に合った種類を選定
↓
⑤ オートスイッチなどの仕様を決定
↓
⑥ カタログから型式を決定
という流れで選定していきます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、実際の設備や既存ユニットを参考にしながら選定していくことで、少しずつ感覚が身についていきます。
エアシリンダを選定する際に、この記事を参考にしていただければ嬉しいです!



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