深溝玉軸受(ベアリング)の基本知識、選定時のポイント【初級編】

設計記事

こんにちは!設計くんです!今回は、深溝玉軸受(ベアリング)の選定方法と設計時の注意点についてお伝えしたいと思います!

ベアリングは機械設計において非常に使用頻度の高い構成要素です。

しかし、種類が多い、型番がわかりにくい、どれを選定すればいいのか分からないと悩む方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は私が普段設計業務で使用しているベアリングについて、初心者向けにまとめてみました!

ベアリングとは

はじめに、ベアリングがどんなところに使われているか皆さんはご存知でしょうか?

例えば、少し前に流行った、「ハンドスピナー」にも実は使われているんです。

ハンドスピナーの中央部分にはベアリングが内蔵されています。ベアリングが回転部分と固定部分を分離しているため、持ち手を固定したまま外側だけをスムーズに回転させることができます!

※ベアリングの詳しい構造については後ほど説明します📝

このように、ベアリングは固定部と回転部を分離することができます。

使用方法によっては内輪が回転する場合もあれば、外輪が回転する場合もあります

一般的な回転軸の支持では、外輪を固定し、内輪を軸と一緒に回転させる使い方が多く採用されています。

また、ベアリングの活用方法は他にもあり、軸の回転を支え、摩擦を少なくしてスムーズに回転させるための機械要素でもあります。

車のタイヤや扇風機など至る所でベアリングは使用されているんです!

ベアリングの種類について

ベアリングには様々な種類があり、用途によって使い分けられています。

代表的なものとして、

  • 深溝玉軸受
  • アンギュラ玉軸受
  • 円筒ころ軸受
  • テーパーローラーベアリング
  • 自動調心玉軸受

などがあります。

この中でも最も多く使用されているのが「深溝玉軸受」です。

深溝玉軸受は構造がシンプルで価格も比較的安く、ラジアル荷重を主に受けながら軸方向の荷重(スラスト荷重)もある程度受けることができます。

ベアリングの種類によって、得意な荷重と苦手な荷重があります。

ラジアル荷重とスラスト荷重の大きさや方向を確認して種類の選定をしましょう!

✅ラジアル荷重が主な場合

→深溝玉軸受、円筒ころ軸受

✅スラスト荷重が主な場合

→スラスト玉軸受

✅ラジアル荷重とスラスト荷重両方が大きい場合

→アンギュラ玉軸受、円すいころ軸受

深溝玉軸受の構造

深溝玉軸受は主に、

  • 内輪
  • 外輪
  • ボール
  • 保持器

の4つの部品で構成されています。

ベアリング型式の見方

ベアリングの型式にはサイズや種類の情報が含まれています。

例 : 6018ZZ

  • 60 : 深溝玉軸受
  • 18 : 内径90mm(18×5)
  • ZZ : 金属シール

※内径番号00~03は例外があります。

メーカーによって細かな仕様は異なりますが、型式のルールは基本的に共通です!

まずは型式の見方を覚えてしまいましょう!

ベアリングの開放型と密閉型の違い

深溝玉軸受には大きく分けて

  • 開放型
  • 密閉型

の2種類があります。

開放型はベアリングの両側にカバーがついていないタイプです。

ボールや保持器が見える構造になっており、グリスの追加給脂やオイルの潤滑が可能です。

特徴

✅高速回転に向いている

✅オイル潤滑ができる

✅グリス交換が可能

❌異物や水分が侵入しやすい

❌定期的なメンテナンスが必要

密閉型はゴムシールや金属シールによって内部が保護されているタイプです。

工場であらかじめグリスが封入されており、基本的には追加給脂を行わずに使用ができる。

特徴

✅ゴミや粉塵が入りにくい

✅メンテナンスが少ない

✅組み込みが簡単

❌高速回転には不向きな場合がある

❌グリス交換が難しい

密閉型の種類

密閉型には主に以下の種類があります。

型式構造特徴
ZZ金属シールド回転抵抗が少ない
LLB非接触シールド防塵性と低い抵抗を両立
LLU接触ゴムシールド密閉性が高い

おすすめの選び方

粉塵や水が少ない環境であれば、ZZ

粉塵や水が多い環境であれば、LUU

私の場合、粉塵や水が少ない環境で使用しますので、基本的にはZZをよく使います。

使用環境を確かめて、選定しましょう!

FA設備には基本的には密閉型のZZタイプがよく使用されています!

ベアリング選定時の注意点

①回転数

ベアリングには許容回転数が設定されています。

許容回転数とは一分間に何回転まで安全に回転できるかを示した値です!

カタログを見てみるとmin1やrpmで数値が書かれています。

一般的には軸径が大きくなるほど許容回転数は低くなります。

高速回転が必要な場合は、カタログで許容回転数を確認して選定しましょう。

②組み立て・メンテナンス性

ベアリングを選定する際は、組み立てや交換ができる構造になっているかも重要です。

ベアリングは破損しやすいため、将来的なメンテナンスも考慮しておきましょう。

③ベアリングを組み付ける、穴や軸の公差を適当に決めない

ベアリングを組み付ける軸やハウジングの穴の公差はメーカーのカタログに推奨値が記載されているため、必ず確認しましょう!

公差をざっくりで決めてしまうと、ベアリングの破損や寿命低下の原因となるため慎重に!

まとめ

今回は深溝玉軸受の基礎知識や選定時のポイントについて解説しました。

ベアリングは機械設計において非常に使用頻度の高い機械要素です。

  • 荷重の方向を確認する
  • 型式の見方を理解する
  • 使用環境に合ったシール型式を選ぶ
  • 組み立てやメンテナンスも考慮する

これらを意識することで適切なベアリングを選定できるようになります!

🤔次回はベアリング中級編です!

今回は基本的な構造や選定方法について解説しましたが、次回は「はめあい」「軸受の寿命」「クリープ」など、実際の設計で役に立つ知識をより詳しく解説していきます!!

よろしければ次回もご覧ください!

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