こんにちは設計くんです!
今回はSMCの「エアシリンダ」について解説していこうと思います!
エアシリンダは幅広い設備で使用されるエアアクチュエータですが、
「エアシリンダって何?」
「どうやって選定するの?」
「中はどうなっているの?」
「オートスイッチ?スピコン、何それ?🤨」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エアシリンダについて複数の記事に分けて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます!
注意点1:シリンダに横方向の力をかけない
エアシリンダを使用する際は、ロッドに横方向の力がかからないように注意しましょう。
エアシリンダは基本的に、ロッドの軸方向に「押す・引く」ための部品です。
そのため、シリンダでワークを動かす際に横方向の力がかかると、ロッドやシール、軸受部などに負担がかかり、故障や寿命低下につながる可能性があります。
例えば、ワークをシリンダだけで支えたり、ガイドのない状態で重いワークを動かしたりすると、シリンダのロッドに横方向の力がかかってしまうことがあります。
このような場合は、ガイド機構を設けて横方向の荷重をガイド側で受けるようにしましょう。
また、シリンダとワークの取り付け位置にわずかなズレがある場合は、前回紹介したフローティングジョイントを使用することで、取付誤差による負担を軽減できる場合があります。

例えば、CDQ2のφ20・ストローク30mmのシリンダが伸び切った状態で許容できる横荷重はわずか3Nです!(※カタログ値参照)
「3Nってどのくらい?」と思うかもしれませんが、約300gの物体にかかる重力と同程度です。
このように、シリンダのロッドは横方向の荷重にあまり強くありません。
そのため、横荷重がかかる可能性がある場合は、ガイド機構などを設けることが重要です!
注意点2:シリンダの動作速度に注意!
シリンダには使用可能な速度範囲が設定されています。
必ずカタログで使用速度を確認し、速度制限の範囲内で使用しましょう。
また、シリンダが動作するときには、動かすワークの質量と速度によって「運動エネルギー」が発生します。
運動エネルギーは、質量が大きいほど、また速度が速いほど大きくなります。
そのため、重量のあるワークを高速で動かす場合は、許容運動エネルギーについてもカタログで確認することが重要です。
注意点3:使用するシリンダのカタログは一通り目を通すこと
普段あまり使用しない特殊なシリンダー(回り止めシリンダー・ロッドレスシリンダーなど)を使用する際は、必ずカタログに一通り目を通しましょう。
特殊なシリンダーは、一般的なシリンダーとは異なり、取り付け方法や回路の組み方などが異なる場合があります。
「いつものシリンダーと同じ感覚で使える」と思っていると、思わぬ設計ミスにつながる可能性があります。
そのため、使用する前にカタログを確認し、取り付け方法・使用条件・回路などを確認しておくことが大切です。

「これで大丈夫!」と思って設計を進めたあとに、使用条件が合っていないことに気づくと、そこから設計のやり直しになることも……。😱
後から気づくほど手戻りが大きくなってしまうので、最初にカタログを一通り確認しておきましょう!
注意点4:保全性も考えてシリンダを設計する
エアシリンダを選定するときは、正常に動作するかだけでなく、「故障したときに交換しやすいか?」という保全性も考えておくことが大切です。
設備は、長期間使用しているとシリンダやオートスイッチなどの部品を交換することがあります。
そのため、設計段階から「交換する人が作業しやすいか?」という視点を持っておきましょう。
① できるだけシリンダの型式を統一する
工場内や設備内で、同じ用途のシリンダを使用する場合は、できるだけ型式やシリーズを統一すると、保全時の管理がしやすくなります。
型式がバラバラになっていると、予備品の管理や交換部品の手配が複雑になってしまいます。
また、特殊な仕様のシリンダや納期の長い製品は、使用する必要性をよく確認してから選定することも重要です。
② シリンダを簡単に交換できる構造にする
シリンダが故障した場合、保全担当者が交換作業を行います。
そのため、
「シリンダを単体で取り外せるか?」
「交換後に元の位置へ簡単に復元できるか?」
という点も設計時に確認しておきましょう。
周辺部品をすべて取り外さないとシリンダを交換できないような構造にすると、交換作業に時間がかかってしまいます。
また、交換後に位置調整を一からやり直す必要がある構造も、復旧までの時間が長くなってしまいます。
③ シリンダ周辺に部品を固定しすぎない
シリンダにセンサステーやガイドなどの部品を直接取り付ける場合は、交換時の調整や位置の再現性にも注意しましょう。
シリンダを交換するたびに周辺部品の位置調整が必要になると、保全作業に時間がかかってしまいます。
できるだけ、交換後に位置を再現しやすい構造を検討することが大切です。
④ オートスイッチも交換しやすくする
シリンダだけでなく、オートスイッチも交換する可能性があります。
そのため、オートスイッチについても、できるだけ単体で脱着しやすい取り付け方法を検討しましょう。
「壊れないように設計する」ことも重要ですが、
「壊れたときに、すぐ交換できるように設計する」
ことも設備設計では大切なポイントです。
まとめ
今回は、エアシリンダを使用する際に注意したいポイントを3つ紹介しました!
- 横方向の荷重をかけない
- シリンダの動作速度に注意する
- 使用するシリンダのカタログを一通り確認する
エアシリンダは「空気を入れれば動く」というシンプルな部品に見えますが、実際の設備設計では、荷重・速度・取付方法・使用条件など、確認しておきたいポイントがたくさんあります。
特に、シリンダを選定した時点で「これでOK!」と終わらせるのではなく、実際の使用条件がカタログの仕様に合っているかまで確認することが大切です。
私自身も、シリンダを使用する際は「とりあえず動けばOK」ではなく、
「この使い方でシリンダに無理がかかっていないかな?」
という視点を持って設計するようにしています。
今回紹介したポイントが、これからエアシリンダを使う方や、設備設計を始めたばかりの方の参考になれば嬉しいです!😊
次回は、今回少し登場した「許容運動エネルギー」について、もう少し詳しく解説していきたいと思います!
それではまた次の記事で!👋

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